太郎雑記

つれづれなるままに、よろずのことについて語ります

果てしないカステラの旅 第5回 チョコラーテの松翁軒

貫禄のカステラ御三家 松翁軒

私の拙いカステラ見聞記も、いよいよ御三家を紹介するくだりになりました。

ちなみにカステラ御三家とは、長崎県に本社を置く「福砂屋」、「文明堂総本店」、「松翁軒(しょうおうけん)」の3社のことを言います。

今日はそのうちのひとつ、松翁軒さんについて書きたいと思います。

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ところで、松翁軒という名前をご存知の方は意外に少ないのではないでしょうか?

福砂屋と文明堂なら、全国のデパートやスーパーに出店していますので、知名度はわりと高いのですが、松翁軒は長崎と福岡にしか店舗がありません(平成30年12月現在)。

非常に限られたエリアで堅実に経営し、それでいてカステラのトップランナーに君臨し続けているのですから、とてもすごい会社だと思います。

そしてこの松翁軒、創業は何と天和元年(1681年)。徳川綱吉が将軍になったばかりの遠い昔に店を興し、日本におけるカステラの礎を築き上げた、老舗中の老舗です。

昭和時代に2度ほど倒産の危機を迎えますが、社員一丸となって血のにじむような経営努力を重ね、みごと復活。他社のような拡大路線は取らず、職人による手作りにこだわり、長崎にじっくりと腰を据えて美味しいカステラを提供してきました。

松翁軒と言えば、ノーマルのカステラも美味しいのですが、何と言っても一番人気は「チョコラーテ」です。今回、比較の意味も込めて、ノーマルカステラと一緒に購入してみました。

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写真左は、長崎空港2階売店に置いてあるカステラとチョコラーテです。

拡大してみますと、パッケージには西洋画風の人物のイラストが施され、とても上品。お土産としてもセレブ風で見栄えがしますから、絶対相手に喜ばれるでしょう。

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材料は非常にシンプル。カステラは卵・砂糖・小麦粉・水飴のみ。一方のチョコラーテは、それにカカオを混ぜただけのものです。

さっそく開封してみましょう。

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まず、カステラの方。ぱっと見、キメが粗いのですが、口に入れた瞬間、あまりの美味しさにびっくりしてしまいます。

生地は十分にしっとりしていて、福砂屋さんほどではないですが、フォークを入れた時のじゅわっと感がたまりません。

底にはザラメがたっぷり付いていて、上部の見事な上品な甘みと合わさって、カステラを食べる幸せを感じてしまいます。さすが、江戸時代からカステラを磨き上げてきた本物の老舗の最高の逸品なだけはあります!

そしてお楽しみのチョコラーテ。

これは単純にチョコレートパウダーをまぶしたものではなく、カステラに合わせてわざわざ特注したチョコレートを使用。つまり、あえて大変な手間をかけて焼き上げた逸品なのです。

チョコレートの濃厚な甘み。そして底にはカステラと同じく、じゃりじゃりしたザラメの感触。この両者の出会いが、とんでもないリッチな美味しさをもたらしました。

さて、この素晴らしい松翁軒のカステラとチョコラーテの購入方法ですが、Amazonでは現在品切れ状態で、やはりお店のホームページから注文される方が無難でしょう。

www.shooken-shop.com

 

もし、長崎にいらっしゃった場合は、長崎空港2階、長崎駅アミュプラザ1階、長崎市内の眼鏡橋近辺にある本店、浜町アーケード内の店舗で購入できます。福岡では博多駅三越にもショップがございますので、そちらでもどうぞ。